走り書き RUNコラム

マラソンをサブフォーで走る

市民ランナーから一躍日本女子マラソン界のトップアスリートになった谷川真理さん。

OL時代に皇居を走る市民ランナーを見てランニング開始。24歳からマラソンを始め、4年後の東京国際女子マラソンでなんと優勝。トップランナーの仲間入りし、一躍注目されるようになります。その後、ランナーだけにとどまらずタレント、スポーツキャスターとして活躍します。また、ランニングなど走る事に関する本も多数出版。

そこで今回は、市民ランナーからトップアスリートに上りつめた谷川真理さん監修の本を紹介します。

市民ランナー目線で、初心者でもわかりやすく走るノウハウを解説。谷川さんの本の特徴は、誰もがひと目でわかるよう、図解、写真を豊富に取り入れたビジュアル解説。練習方法はウォーキングからはじまり、徐々にジョギングで走るようになり、さらにランニングトレーニングとわかりやすくステップアップ。

最終的にはフルマラソン完走を目指すと、明確な目標を持って解説してくれていますので、ランニングの進歩の度合いもわかりやすいです。

そこで今回は、マラソン完走を目指すノウハウ本「楽しくきれいに走りたいマラソン完走BOOK」です。

マラソン完走BOOKで4時間切り

この本は約6ヶ月で42.195kmを4時間以内で走るを最終目標としてアドバイスして頂ける構成になっています。

谷川真理さんはオープニングの言葉で次のように語っています。「これから走り始めようという初心者の方なら、余裕を持って6ヶ月前から練習を始めよう。ウォーキングをスタートし、ジョギングへ。次第にペースアップする。走る楽しみを味わいたいという方へ、本書では『42.195kmを4時間以内に自分の足で走る』を目標にアドバイスしていきます」

個人差はありますが、6ヶ月でフルマラソンをサブフォー(4時間未満)で走るのは多少難易度も高いかもしれませんが、地道にトレーニングを継続していれば達成できるタイムなので、初心者の方でしたら、この本を参考にサブフォーを目指しましょう。

トレーニング方法はオーソドックスに基本的なランニングをマスターする流れになってます。まずはウォーキングからスタートして、歩くことになれてきたら、徐々にジョギングに移行していきます。次第にペースアップしていき「走れるカラダ」に変えていきます。さらに走る距離や時間を伸ばしていき、持久力をつけていきます。

全体的なスケジュールとして、ウォーキング2週間で30分歩ける身体づくり。2ヶ月で60分の間ジョギングできる体作り。残り4ヶ月で42.195km走れるスタミナ、カラダをつくり、4時間以内で走れるスピードをつける。

以上がこの本の大まかなタイムスケジュールです。いかにしてマラソンを走り切るか、「マラソン完走BOOK」について、さらに解説してみたいと思います。

マラソンもまずはウォーキングから

マラソンを目指すということで、普段走ったことがない人が、いきなり走り出すのもケガのもとです。また10年以上もスポーツをやっていない人が、昔はスポーツマンだったという脳だけスポーツマンという方が、いきなり走り出しても、ケガや故障を起こしやすいです。

まずは歩くことをおすすめしています。日頃あまり使っていない筋肉や心肺機能に急激な負荷をかけないように、まずはウォーキングをしてカラダを「走る」に対応できるようにならしていきます。

最初は30分間ウォーキングをできるだけ毎日。2週間続けるようにします。これはかたまった筋肉をほぐすため。もうひとつは運動することの習慣づけです。そしてこのウォーキングは、次のステップ、60分間軽快にジョギングできる、カラダの土台作りになるのです。

ウォーキングからジョギングに切りかえる

約2週間、30分のウォーキングに慣れてきましたら、次のトレーニングはジョギングを取り入れていきます。

いきなり30分走るのではなく、30分ウォーキングの間に少しずつジョギングをしていくということです。まずは具体的に10分。10分ジョギングして20分ウォーキング。もしくは10分ウォーキングして10分ジョギング、最後に10分ウォーキング。とにかく30分のウォーキングの間に10分のジョギングを取り入れるということです。

そして10分のジョギングが苦もなく走れるようになれば、走る時間を徐々に伸ばしていきます。10分から15分、20分とジョギングの時間を伸ばしていきます。

2ヶ月でジョギング60分間走れるカラダづくり

ジョギングする時間を伸ばしていくのと同時にトレーニングタイムも30分から40分、50分と伸ばしていきます。30分ジョギングして20分ウォーキングと伸ばしていき、まずは60分のトレーニングタイムを目指します。

そして最終的には約2ヶ月を目安に、60分のジョギングができるようにします。

また2ヶ月が迫った頃、距離も意識をして10km走れているか、距離も確認していきます。最初は無理と思える距離かもしれませんが、2ヶ月練習を重ねるうちに距離も自然と伸びていき、決して無理な距離ではありません。

ランニングで42.195kmに挑戦。

2ヶ月で60分間走ることができる走力が身についたら、いよいよ42.195kmを走り切ることができるトレーニングにレベルアップしていきます。マラソンに向けた本格的トレーニングです。

ランニングでマラソンに向けた基本的走力を養った2ヶ月。ここから先4ヶ月は個人のレベルに応じてトレーニングメニューを組んでいきます。そこで「現在の自分の実力」を試して、実際の実力を知ります。

それが5kmのタイムトライアルの時間によって練習内容を考えるということです。基準となる時間は以下の3つです。そしてそれに応じたトレーニングを行うということです。

  1. 24分以内で走れた/2週間で150kmの走り込み。月間にすると300km走る。スピードはあるので、フルマラソンを走り切る持久力をつけるトレーニングをkします。
  2. 28分以内で走れた/毎日の練習で10km走を行い、週一回のインターバルを行う。
  3. 28分以上かかった/10km走を毎日行い、その途中で500メートルくらいスピードを上げて走ってみる。

以上は一つの目安としてトレーニングメニューを上げていますが、トレーニングメニューについて本の中では具体的な解説はしていませんが、私の見解では、1から3になるにつれて、スピードトレーニングの必要性が増すということです。

まず、1の5km24分以内で走ることができるということは、キロ5分以内で走ることができるということで、フルマラソンで4時間以内で走ることができるスピード力があるということです。そのためトレーニングでは、持久力をつけるトレーニングメニューが中心となるためほとんど走り込みとなるわけです。

2~3になるに従って、4時間を切るスピードが必要となるため、スピード力をつけるためのインターバルなどのトレーニングが必要となるわけです。

そして大切なことは自分のレベルを知るためにも、2週間に一度5kmのタイムトライアルを行い、それに合わせた練習を行っていくということです。

マラソン大会2週間前のトレーニングは体調を整える

2ヶ月で60分間走れるからだづくり。そしてそこから4ヶ月でフルマラソン4時間以内で走るためのトレーニング。繰り返しますがフルマラソン4時間以内で走るトレーニングでは2週間に一度5kmのタイムトライアルを行い、それにあわせ練習メニューを組み立てる。それを大会前まで行います。

そして大会2周間前から調整を整えることを最大目的とします。長い距離を走らず、5km、10kmといった比較的短い距離で、疲れを残さないようトレーニングをします。

そして大会当日には練習の成果を100%発揮できるよう、体調を十分整えます。

まとめ

「マラソン完走BOOK」は6ヶ月先にあるマラソン大会に出場し、4時間以内で42.195kmを完走することを前提とした、トレーニングの本です。これは初めてマラソンに挑戦する人にもわかりやすくスケジュール、トレーニング内容がまとめられています。

2週間ジョギング30分間→2ヶ月で60分間ジョギングできるカラダ作り→4ヶ月で4時間以内で42.195kmを走るトレーニング→マラソン大会

簡単に表すと、以上の流れになります。またここでは解説していませんでしたが、本の中では、ランンイングフォーム、トレーニングでインターバルなどの具体的なやり方など書かれていますが、詳しくは、本で学んでみてください。

さて、6ヶ月のトレーニングで4時間以内でフルマラソンを走るという想定ですが、正直これは個人差があり、誰もこのスケジュールのとおりできるかというと、なかなかできない人もいます。

マラソン大会などで、4時間以内で走る人はどれくらいいるか、というと、だいたい上位2割ということです。100人走ったら、20人程度ということです。従って4時間以内で走るということは難易度が高いといえます。

そしてマラソンのトレーニングを始め、なかなか本のスケジュール通りいかないという方は、本に合わせるのではなく、自分の体調にあわせて進めるようにしてください。無理をしてケガ、故障をしないよう、トレーニングをすすめましょう。

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